ドライヤーの寿命は3〜4年。検索すると、そう書いてある記事が並びます。
ただ、その数字がどこから来たのかは、読んでもわかりません。
いつ買い替えればいいのか、はっきりしないまま年が過ぎていきます。
気になってメーカーの取扱説明書を最後のページまで開いてみたら、寿命という言葉はどこにも出てきませんでした。
代わりに出てきたのが3つの数字です。
メーカー6社の取扱説明書と公式のQ&Aを読み比べました。買い替えどきは、年数ではなく症状のほうで決まっていました。

「何年で買い替え」は書かれていない
取扱説明書のいちばん後ろ、保証とアフターサービスのページに載っているのは次の3つです。
保証は、買った日から1年。ダイソンだけは2年で、製品登録をすませているのが条件です。
修理用の部品を持っている期間は、製造を打ち切ってから5年。パナソニック、シャープ、テスコム、リファの4社とも同じ年数でした。
シャープはもう1つ書いていました。故障の症状が出ていなくても「お買いあげ後3〜4年程度たちましたら、安全のため点検をおすすめします」
3つとも、寿命ではありません。保証が切れる日と、直せなくなる日と、見てもらうといい時期。それだけです。
出典=各社の取扱説明書
3〜4年という言い方は広まっています。ただ、シャープが書いているのは点検のすすめで、買い替えどきだとは書いていません。
では何を見て決めるのか。それも同じ取扱説明書に書いてありました。
使うのをやめるサインは決まっている
ただちに使用をやめるべき症状。その一覧が取扱説明書にあります。
並んでいる症状は、どのメーカーでもほぼ共通です。
見ておきたいのは電源コード
テスコム、シャープ、サロニアの3社がそろって挙げています。
電源コードがねじれて戻らなくなった。折り曲げたり回したりすると、通電したりしなかったりする。コードやプラグの根元が変形している。コードの一部が異常に熱い。
どれも断線しかけているサインです。曲げたときに風が止まるなら、それはもう故障というより危険な状態。
パナソニック、テスコム、リファは、共通の注意書きを載せていました。収納するときに電源コードを本体に巻きつけない。
巻きつけるとコードの根元に力がかかり続けて、中の線が切れていきます。
テスコムやリファに付いているコードバンドは、巻かないで留めるための道具です。



風とにおいと音で気づく
コードのほかにも、その場でやめるべき症状が並びます。
風が出ない。風が出たり出なかったりする。こげ臭いにおいがする。異常な音や振動がする。本体やハンドルが異常に熱い。吹出口の中が真っ赤になる。
煙もそうです。パナソニックはこの煙を「保護装置(温度ヒューズ)が働いたための症状です」としています。装置がきちんと動いた証拠なので、そこでスイッチを切るのが正解です。
アイロンはプレートを見る
ヘアアイロンには、ドライヤーにはない注意書きがありました。リファの取扱説明書の廃棄方法にこんな一文。
「本品に傷や亀裂が入ったり、アイロンプレートのフィルムが破れたり、はがれたりした場合は、使用を中止して廃棄してください」
修理ではなく廃棄です。プレートは髪に直接ふれる面。傷が入ったら、その1台はもう終わりです。
不調の正体は吸込口のホコリかもしれない
ここまでの症状のうち、いくつかは故障ではありません。詰まりで起きます。
パナソニックの取扱説明書は、吸込口や吹出口がふさがれたときに出る症状を3つ挙げています。温風がたびたび冷風になる。温風が異常に熱くなる。使用中に内部で火花のような光が見える。
火花については、サーモスイッチという保護装置が働いているだけで危険ではないとも書いてあります。
テスコムは「温風が通常より熱くなり、髪がこげたり、やけどの恐れがある」、シャープは「ほこりが付着すると風量が落ちる原因になり、安全装置が働くことがあります」
3社で言葉は違いますが、起きることは1つです。ホコリで風が減り、温風が熱くなり、保護装置が止める。
詰まりを取れば戻る症状を、故障と取り違えたくないところです。



掃除の間隔は、4社ともだいたい月1回。
パナソニックが「月1回以上こまめに」、テスコムが「こまめに(月1回以上)」、シャープが「1カ月に1回以上こまめに」、ダイソンが「少なくとも月に1回確認」
シャープには、間隔の違う項目もありました。プラズマクラスターイオンを出す電極の部分は2カ月に1回以上。
ここは付属のユニット清掃ブラシだけを使います。綿棒は故障の原因になるので使えません。
ダイソンなら、お手入れの時期を本体が知らせてくれます。そろそろというときに、LEDライトが点滅します。
ドライヤーの吸込口
やり方はどのメーカーもよく似ています。
電源を切ってプラグを抜き、本体が冷めてから始めます。
表面についたホコリや髪は、ティッシュやブラシでやさしく取り除く。取れにくいときは、固形せっけんをとかした水に布を浸してよく絞り、拭き取ります。
内部に入り込んだぶんは掃除機で。テスコムのように吸込口の網(インレットネット)が回して外せる機種なら、外してから吸えます。
外し方の説明がないものは、そのまま吸います。中は開けないでください。
ダイソンだけは水洗いができません。フィルターもフィルターカバーも、乾いた布か柔らかいブラシでホコリを落とします。
布に含ませてはいけない液体も4つ。アルコール、除光液、ベンジン、シンナー。プラスチックが変色したりヒビが入ったりします。
アイロンのプレート
アイロン側は、汚れがついたときに拭くのが基本です。
リファの取扱説明書はこう案内しています。中性洗剤を3〜5%に薄めた水に柔らかい布を浸し、よく絞ってから拭き取る。こちらもアルコールや除光液は使えません。
やってはいけないのは、スタイリング剤がついたまま放置することです。残ったままだと、においのもとになります。部品の変形や割れにもつながります。



掃除をしていないと保証が使えない
掃除は、風を減らさないためだけのものではありませんでした。
ダイソンの保証適用外には、こんな一行。
「必要なお手入れを怠ったことによって生じた故障および損傷」
この欄にはもう1行、「弊社が推奨するお手入れ方法以外のお手入れによって生じた故障および損傷」
リファの無償修理規定でも、有償になる場合の1つとして「使用後のお手入れを怠ったことによる故障」を挙げます。
月1回の掃除は、保証を失わないための条件でもあります。
ダイソンにはもう1つ、見落としやすい行があります。通常の使用を1日あたり2時間としていて、それを超えて使った場合は保証の対象外。
家族みんなで1台なら、1日で何時間になるか一度足してみると安心です。



直せるメーカーと直せないメーカー
部品を5年持っているメーカーなら、保証が切れたあとでも直してもらえます。お金はかかりますが、買い替えずに済みます。
サロニアは、公式のQ&Aではっきり別の方針を出しています。「弊社では、商品の修理対応は行っておりません。保証期間内であれば、交換にて対応しておりますので、ご購入店舗へご相談ください」
直さずに、替える。1年を過ぎたら次の1台へ。
どちらが上でも下でもなく、方針の違いです。なぜそうするのかまでは、公式も触れていません。
▼ 交換で対応するサロニア SL-013は、たたんで持ち出せる速乾タイプです。


直せるメーカーかどうかは、買ったあとでは変えられません。
何年も使うつもりなら、部品を何年残すか書いたメーカーを選びます。数年で気軽に替えるつもりなら、交換対応でも困りません。
▼ 風量や重さと合わせて考えたい方へ。ドライヤーの選び方を3つの軸でまとめています。


よくある質問
何年たったら替えるのが正解ですか
年数では決まりません。製造が終わってから5年。それを過ぎると、部品がもうないかもしれません。
ただ、症状が出ていないのに年数だけで替える理由は、読んだ取扱説明書のどれにも書かれていませんでした。
掃除機で吸ってもいいですか
吸えます。パナソニックとテスコムが、そう案内しています。
ダイソンだけは吸わせるのも水洗いも禁止です。
電源コードは本体に巻いて収納してもいいですか
パナソニックなど3社が、取扱説明書で禁止しています。断線して、火災や感電の原因になるためです。
巻きつけるくせがある方は、ゆるく束ねて引き出しへ。そこだけでも変えてみてください。
保証書をなくしました
買った日がわかるレシートや納品書が、代わりになる場合があります。
ダイソンは製品登録が保証の条件です。サロニアは購入証明がないと対象外で、転売品も同じ扱い。買ったときの記録は、本体より長く残しておくものでした。



買い替えの合図は取扱説明書にある
メーカーが数字で書いていたのは、保証の1年(ダイソンは2年)と、部品の5年と、点検の3〜4年。寿命を指す数字は、そこに1つも見当たりません。
決まっているのは年数ではなく、やめるべき症状のほうです。
こげたにおい、煙、おかしな音、ハンドルがさわれないほど熱いこと、コードを曲げると風が止まること。
ひとつでも当てはまるなら、そこで使うのをやめます。ここまでのサインがどれもないなら、まだ替えなくていい。
そして月に1回、吸込口をのぞきます。そのぶん長持ちします。
いま手元にある1台、まだ現役かもしれません。
関連記事
熱で傷むと思って冷風ばかり使っていた方へ。髪が削られる本当の原因をまとめています。


Ulike の光美容器 Air 10 Max には、「最大約90万回」という照射の上限が付いています。ドライヤーとは、そこがまるきり逆です。





