ドライヤーの熱で髪が傷む。だから途中で冷風に切り替えたり、半乾きのまま自然乾燥にしたりしていませんか。
実は、熱のせいではありませんでした。
メーカーが公開しているヘアケアの研究ページを読むと、ドライヤーの温度は思っていたよりずっと低い。髪を削っていたのは、まったく別のところ。
今夜の乾かし方から、すぐに試せます。
新しい機種が出るたびに違いを調べても、増えるのは機能の名前ばかり。今回は機種選びの前に、髪が傷む仕組みそのものの話です。

ドライヤーの熱ではほとんど傷まない
花王が公開している「髪の知識」というページに、はっきりこう書かれています。ドライヤーの熱によるダメージはほとんどない。
理由は温度です。
1200Wのドライヤーでも、髪から10cm以上離せば90℃以下。しかも濡れているうちは、髪の表面温度が60〜70℃くらいまでしか上がりません。
髪の中のたんぱく質が変わりはじめるのは100℃から。ふつうに乾かしているかぎり、そこまでは届きません。
ただし条件が1つあります。乾いてからも同じ場所に熱を当て続けない。ここを守らないと、100℃を超えることがあります。
乾いたら止める。守るのはそこだけ。
本当の原因は濡れているときの摩擦
では何が削っているのか。
濡れているあいだの摩擦です。
髪は水を含むと柔らかくなります。それも、ちょっとした力で形が崩れるほどに。
乾いているときなら平気な力でも、濡れているあいだは表面のキューティクルが削れたり、はがれたり、髪が伸びたまま戻らなくなったりします。
犯人は熱ではなく、濡れた状態でこすったり引っ張ったりする力のほうでした。
毛先ほど傷んでいるのも、そのせいです。毛先は根元より先に生えたぶん、シャンプーもスタイリングも回数が多い。
そのたびに少しずつ削られて、うろこ状に重なったキューティクルの枚数が減っていきます。
髪が長い方ほど、根元と毛先で手ざわりに差が出やすい。
もうひとつ、髪の外側は、うすい油の膜で覆われています。指通りをなめらかに保つ膜です。
これが紫外線やヘアカラーで失われると、表面にかかる摩擦が増えて、キューティクルが傷むきっかけになります。
カラーを繰り返しているなら、同じ乾かし方でも傷みやすくなる。
削られ続けた毛先は、縦に裂けたり横に切れたりします。枝毛や切れ毛が起きるのは、キューティクルが薄くなったところです。



傷ませない乾かし方はこの3つ
やることは増えません。順番を変えるだけです。
タオルで拭いてからもつれをほどく
まずタオルで大まかに水分を取ります。ここで水を減らしておくほど、あとのドライヤーが早く終わります。
そのあと、手ぐしか目の粗いくしでもつれをほどく。傷むか傷まないかは、ここで何を使うかで分かれます。
ほどくときは、根元から一気に通さない。引っかかったら、くしをいったん離す。毛先のほうから少しずつほどいていきます。
途中できしんだり絡まったりするようなら、洗い流さないトリートメントを薄くつけてから始めると、指がすっと通ります。
乾かす順番は根元から毛先へ
パナソニックが公式サイトで案内している基本の乾かし方は、根元、中間、毛先の順番です。
ドライヤーは髪から10cm程度離します。
根元が乾けば、毛先はあとから勝手に乾いていきます。
逆に毛先から始めると、毛先だけが乾ききったあとも根元を乾かし続けることになる。さっきの「乾いてから当て続ける」が起きるのは、たいていこの順番のときです。
風は上から下へ、毛の流れと同じ向きに。下から逆立てるように当てると、髪どうしがからんで、こすれる回数を自分で増やしてしまいます。



9割乾いたら冷風で仕上げる
9割ほど乾いたところで、冷風も使いはじめます。
パナソニックの案内では、髪全体を4つくらいに分け、手ぐしで軽く引きながら、1か所につき温風と冷風を交互に2〜3回ずつ。最後は頭のてっぺんから毛先へ向けて当てます。
温風で形を整えて、冷風で固定する。難しい操作はありません。
冷風はあくまで仕上げ用です。
▼ では実際どの機種を選ぶのか。続きはドライヤーの選び方へ。


やりがちだけど実は髪を削っている3つの習慣
どれか身に覚えがあるはずです。
1つめは、濡れた髪に目の細かいブラシを入れること。柔らかくなっている髪に、細かい目を無理やり押し込む動きです。
2つめは、絡まったところへ根元から毛先まで一気にくしを通すやり方。引っかかりの手前に力が集中して、キューティクルだけでなく内部まで裂けることがあります。
3つめが、濡れているあいだにブラシで形をつけようとすること。濡れているうちは何度ブラシを通しても形は決まらず、髪を傷めているだけ。花王のページにも、そう書かれています。
髪の形が決まるのは乾いたとき。だからブラシの出番は、水気がほとんど飛んでから。



アイロンを使う日だけは話が別
アイロンは、熱さの桁が違います。
花王が挙げているのは、100℃を超える加熱の繰り返し。髪の中のたんぱく質が部分的に変わって、内側にスカスカの空洞ができます。
160℃以上では弾力が落ちる。200℃以上になると、内部で強さを支えている繊維そのものが壊れます。
アイロンの設定温度は100℃から200℃前後が主流なので、毎日ふつうに使う目盛りが、そのままダメージの出る目盛りです。
守りたいのは3つ。160℃以下にすること、強く挟んでこすったり引っ張ったりしないこと、そして短時間で終わらせること。
高温で挟んだ髪は、いちばん柔らかい状態です。濡れているときと同じで、そこで引っ張れば伸びきって戻らなくなります。



▼ 何℃まで下げられるかが気になる方へ。リファ ストレートアイロン プロ RE-AT-02Aの回で扱っています。


よくある質問
冷風だけで乾かしたほうがいい?
おすすめしません。冷風だけだと乾くまでに時間がかかり、髪が柔らかいままの時間が延びます。傷みを避けるつもりで、逆にこすれに弱い状態を長引かせることになります。
温風で乾かして、最後だけ冷風。この使い分けなら、毎日でも楽にできます。
自然乾燥のほうが髪にやさしい?
熱を一切使わないので安全そうに見えます。ただ、濡れている時間は、どのやり方より長くなります。
待っているうちに枕でこすれたり、気になって手でさわったりすれば、そのたびに削れます。熱を避けた代わりに摩擦を増やしているなら、髪へのダメージは減っていません。
低温のドライヤーを選ぶ意味は?
地肌が乾燥しやすい方や、つい当て続けてしまう方には合っています。約60℃の風で乾かせるモードがついた機種もあります。
傷みを減らしたいなら、温度より風量を先に見たほうが早い。風量が多いほど早く済むので、髪が弱いあいだを短く切り上げられます。



今夜からできるのは手つきだけ
傷めていたのは熱じゃなく、水を含んでやわらかいときにかかる力でした。
だからタオルで水気をとって、手ぐしか目の粗いくしでほどく。それから上から下へ風を送り、最後は冷風です。それだけで削る回数は減らせます。
特別な道具は使いません。明日の指通りでわかります。
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もっと強い風がほしいなら、軽さと風量のバランスで選ばれるテスコム TD760Aを。


マグネットヘアプロ カールアイロンでは、慣れないうちは必ず160℃以下で、というのが取扱説明書の注意書きです。






