ドライヤーを買い替えようとして、売り場に立っても、ネットの一覧を開いても。風量、温度、イオン、モードの数と、見慣れない言葉がずらっと並びます。
結局どれを選べばいいのか、わからなくなりませんか。
高い機種ほど間違いない、とも限りません。口コミの星の数だけを見ても、自分の髪に合うかどうかは、また別の話です。ここでつまずいて、なんとなくで選んで後悔する方は少なくないんですよね。
ドライヤーの選び方で本当に見るべきところは3つ。タイプ別のおすすめは3台です。
おうち美容ラボで1台ずつ調べてきたドライヤー8台を、一度横に並べて絞りました。

風量と温度と重さで決まる
カタログの数字を端から端まで追わなくて大丈夫です。似た言葉がいくら並んでいても、失敗しないために見るのは3つです。
風量・温度・重さ。この3つが、ドライヤー選びの軸になります。自分の髪と暮らしに当てはめれば、迷いはぐっと減ります。
速乾を生むのは風量
風量とは、1分あたりに送り出せる風の量のこと。大きいほど根元まで風が届いて、水分が飛ぶスピードが上がります。
ただ、この数字にはやっかいな落とし穴があります。測り方がメーカーごとに違うんです。
JIS規格で測った値を出すメーカーもあれば、独自の基準で測るメーカーも。
たとえばテスコム TD760Aは、0.8m³/分(JIS規格)と4.1m³/分(自社基準・TURBO時)の両方を公表しています。同じ1台で、これだけ開きます。
風量の数字は、メーカーをまたぐと比べたことになりません。
比べるとしても、同じメーカーの中で上位機と下位機を見るくらいです。カタログの数字より、「乾くのが速かった」という声のほうが当てになります。



熱の高さより風量で乾かす
熱は乾かす味方ですが、かけすぎれば、今度は髪の負担です。
今のドライヤーは、高温で一気に攻めるより、風の量で乾かす方向。低めの温度でも、風がしっかり出ていれば乾きます。
熱の負担が気になる方ほど、最高温度の高さではなく風の強さを見たほうが、選びやすくなります。
重さと静かさは毎日積み重なる
意外と見落とされるのが重さです。腕を上げている時間が長い方ほど、重さはそのまま疲れに変わります。
500gを切ると軽い部類。逆に600gに近づくほど、乾かし終わりの腕のだるさに差が出ます。
あわせて動作音も。夜に乾かす方や集合住宅の方は、静かめだと時間帯を気にせず使えます。数字がすべてではありませんが、この2つは毎日の使い心地にそのまま出ます。
髪質・悩み別の選び方
この3つが決まったら、あとは自分の髪と見比べるだけです。
毛量が多い、髪を乾かし終わるまでがとにかく長い。ここに心当たりがあるなら、風量から先に見ます。乾き終わりまでの時間は、根元に風が入るかどうかでほぼ決まります。
毛先がパサついて広がる、カラーや乾燥で落ち着かない。こちらは風量に加えて、うるおいケアが付いているかを見ます。速く乾かしながら、髪にやさしい風も同時に当ててくれるタイプ。
地肌の乾燥やベタつきが気になるなら、温度を落として当てられるモードを探します。頭皮は熱の影響を受けやすいので、そこを選べるだけで気がラクです。
朝の時短がなにより大事、という方には迷わず大風量。ショートヘアなら風の差は出にくいので、軽さや操作のわかりやすさで決めても十分です。



まず候補にしたい3台
軸が見えたところで、具体的に3台。何を優先するかを変えて、速乾・ケア・しまいやすさから1台ずつ選びました。
速乾と軽さの両立ならテスコム TD760A
風量の数字は0.8m³/分(JIS規格)と4.1m³/分(自社基準・TURBO時)の2つが公表されています。さきほどの「基準が違うと比べられない」が、そのまま出ている1台です。
重さは約320g(コードを除く)。まっすぐなI字型なので、乾かし終わりまで腕が持ちます。動作音も自社の従来製品より約7%抑えめ。
運転モードはHIGH・LOW・COOL・AUTOの4つだけ。家族の誰が握っても迷いません。速く乾かしたい、でも重いのは我慢したくない。その2つが両方ほしいなら、これです。


▼ どのくらい軽くて静かなのか。テスコム TD760A の記事で確かめられます。


乾かしながらケアするならパナソニック ナノケア EH-NA0K
風量1.6m³/分(風量【強】時)に、高浸透ナノイーとミネラルのうるおいケアが乗っています。速く乾かす役とケアする役を、1台で兼ねる作りです。
うるおいを表面に足すのではなく、髪の内側に届ける方向のケア。乾かしたあとの毛先の落ち着き方に期待したい方に向いています。
約550g(セットノズル含まず)で、今回の3台ではいちばん重め。それでも速さと仕上がりを1台で取りに行けるのが持ち味です。
▼ うるおいケアの中身は、パナソニック ナノケア EH-NA0Kの記事で細かく見ています。


しまう場所まで考えるならサロニア SL-013
2.3m³/分(自社測定・TURBO時)の風で一気に乾かして、終わったら小さくたためる1台です。ノズルなしで約468g、ノズルとコードを入れても約495gと、500gを切ります。
なお、この2.3も、さっき見たナノケアの1.6も、それぞれのメーカーの表記です。
モードはTURBO・SET・COOLの3種類。機能をあれこれ載せず割り切っているぶん、洗面所に出しっぱなしにしなくていいのは、毎日だと大きい差です。


▼ たたんだ大きさが気になるなら、サロニア SL-013 の記事に書いています。





音と重さとコード 不満はズレから出る
口コミを読み比べていると、いい評価だけでなく「買う前に知っておきたいこと」も見えてきます。
よく挙がるのが動作音。ただ、大風量だからうるさいとは限らないようです。
重さについての声も。約550gのタイプだと、手が疲れると書く人もいれば、軽くて助かると書く人もいます。
もうひとつ、暮らしの中で見落としやすいのがコードです。不満として出てくるのは長さではなく、硬さと太さのほう。
太くて硬いと、使いはじめの取り回しに手こずるそうです。売り場で手に取れるなら、硬さを確かめておくと失敗が減ります。
こうして両方の声を並べてみると、不満は「自分が何を求めていたか」とズレたときに出やすいのが見えてきます。
高機能に惹かれて選んでも、本当にほしかったのが軽さなら重さが先に目につく。安さで割り切っても、ほしかったのが仕上がりなら物足りなくなる。
同じ1台でも、求めていたものが違えば評価はひっくり返ります。



その他の候補も見たい方へ
今回の3台がしっくり来なかったら、タイプの違う機種も候補に入ります。気になるタイプがあれば、それぞれの記事で詳しく書いています。
▼ ダイソンの上位機らしい速乾に、髪や頭皮との距離に応じて自動で温度が下がる機能まで足したい方は、ダイソン スーパーソニック HD16。


▼ 風量はしっかりほしい、でも乾いたあとは落ち着かせたい。その両方を狙うなら、シャープ プラズマクラスター IB-NP9が候補に入ります。


▼ 熱の負担をできるだけ避けたい方には、低温で軽く乾かすリファ ビューテックドライヤー RE-AX-02A。


▼ 出張や旅行で持ち歩くことが多いなら、電圧を切り替えられるパナソニック ナノケア EH-NA9F が使えます。


▼ 夜はまとまっていたのに、朝は表面がふくらんでいる。心当たりが静電気にありそうなら、シャープ プラズマクラスター IB-RP7。





よくある質問
静かさは数字で比べられる?
正直、比べにくいです。動作音を数字で出している機種は、そんなに多くありません。
「従来製品より何%抑えた」という書き方だけのこともあって、メーカーをまたぐと基準がそろわないのは風量と同じです。
スペックで選ぶより、夜に使うかどうかで決めたほうが早いです。
海外旅行にも持っていける?
どの機種でも使えるわけではありません。海外で使うには電圧の切り替えに対応している必要があり、対応をうたっている機種は限られます。そのひとつが、パナソニック ナノケア EH-NA9Fです。
持っていく予定があるなら、買う前に、その機種が海外対応かどうかを必ず確かめてください。
迷ったら風量・温度・重さに戻る
ドライヤーの選び方は、風量・温度・重さに絞れば、そんなに難しくありません。あとは、自分がどれを上に置くかを決めれば終わりです。
速く乾いて軽いのがいちばんなら、テスコム TD760A。毛先のケアまで同時にほしいなら、パナソニック ナノケア EH-NA0K が近いです。使うたびにしまいたいなら、サロニア SL-013。
値段の高さや機能の多さで選ぶより、自分の物差しで決める。それが、後悔しないドライヤー選びの近道です。迷ったときは、3つの軸のところへ戻ってきてください。
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買ったあとに効いてくるのが寿命。何年もつかの目安を6社ぶん拾った回です。


熱で傷むと思われがちですが、犯人はほかにいました。詳しくは基礎知識のページへ。




